自分と比べて「デキる人」には憧れを抱くもの。
例えば効率的に動くことができたり、物事を理解するのが早かったり、あるいは全てにおいて自分より優れていると感じたり。
どの点においてデキているかはそれぞれかと思いますが、周りから一目を置かれている存在であろうその人は、遠い存在のように感じてしまうと思います。
デキる人と比べて、「自分はダラダラ動いてしまっている」「ぼんやりしていることが多い」、そのように感じることはありませんか?
そしてそれを「自分の性格だから」と諦めてしまっていませんか?
もしかすると、実はぼんやりしてしまうのは「睡眠負債」が積み上がって、体や脳に影響が出ている状態かもしれません。
諦めてしまう前に、睡眠習慣を見直してみましょう。
◎睡眠時間6時間は短い?
睡眠負債とは、無自覚のうちに借金のように長期間積み上がってしまった睡眠の不足が、心身に影響を及ぼした状態のことを言います。
つまり、慢性的な睡眠不足に陥っている状態です。
普通、睡眠不足と言えば「やる気が出ない」「疲れている」などの自覚できる症状が体に出ていると思います。
しかし睡眠負債は、例え積み上がっていたとしても比較的元気に動くことができるのです。
その上、眠っている時間がとれていないわけではないので、まさか自分が寝不足で、パフォーマンスが落ちているなんて考えもしないことでしょう。
日本人のうち、4割ほどの人の睡眠時間が6時間未満であると言われています。
6時間の睡眠時間を短いと感じる人は、かなり少ないのではないでしょうか。
しかし2003年に行われた研究によると、6時間睡眠を2週間続けた人の脳の働きは、2日徹夜した人と同じぐらいまで低下するという結果が出ています。
つまり毎日6時間しか寝ていない人は、毎日脳の機能が低下した状態で仕事をしているということなのです。
睡眠負債が発生しない睡眠時間は、8時間と言われています。
もしこの時間より1時間以上少ないのであれば、睡眠習慣を見直してみましょう。
ただし、この時間に縛られることも悪影響を及ぼしますので、気にしすぎはNGですよ。
◎睡眠負債が重なっているかどうかの見分け方
中には、「自分は短い時間でも大丈夫な体質だ」と思っている人もいるかもしれませんね。
本当に短時間の睡眠でも、正常な時間寝ている人と同じパフォーマンスを出すことができる体質のことを「ショートスリーパー」と言います。
確かにショートスリーパーの人はいますが、ごく少数です。
大半の人は、仕事やそれまでの生活習慣の事情で、短時間の睡眠に慣れてしまっている状態にあります。
以下の状態に当てはまる人は、睡眠負債が重なっている状態にあると考えられます。
・休日は平日と比べて2時間以上長く寝ている
・起床してから4時間後に眠気を感じている
慢性的な寝不足に陥っている可能性が高いので、早急に睡眠リズムを見直してみてくださいね。
また、休日に「寝溜め」をしていませんか?
実は寝溜めは、次の一週間に向けた睡眠の貯蓄ではなく、これまでの睡眠負債の返済です。
しかし一気に長時間寝てしまうと、睡眠のサイクルが乱れる原因になってしまいます。
なので休日にまとめて返済するよりも、普段の睡眠時間を見直して、睡眠負債のないリズムを作ることを心がけましょう。