肩こりがひどくて、頭痛がするほどつらい。
そんなとき私たちは、肩の部分をマッサージしたりしますよね。
その一瞬だけは心地いいのですが、またすぐに痛みが舞い戻ってきます。
そう、肩がこったら肩にトラブルがあるとは限らないということです。
たとえば、腰痛の原因を探していったら、昔捻挫したときに、
重心軸がずれていたことが元になっていたというケースがあります。
外反母趾はハイヒールのせいだと思っていたら、
実は股関節のずれだったというのも、意外ですよね。
五十肩にしても、原因は以前に痛めた膝からきていたという人もいます。
このように、今痛い箇所と違う部位の、昔の傷に原因があったという例は、
私たちが思っている以上に多いのですね。
座り仕事が多い現代人は、姿勢の悪い人もいっぱい。
つぶれていびつになったホース(血管やリンパ管)は、
当然のことながら、流れが悪くなり、徐々によどんでいきます。
次第によどんだ流れが全身におよんだ段階で、
肩がこったからとその部分だけをマッサージするのは、
まさに木を見て森を見ない状態ですよね。
だからこそ、そんな状態になったときには、
体液の流れをまずは改善すること。
それが治療、回復への最善の方法であり、近道だからです。
身体は一つひとつのパーツが独立しているのではなく、
すべてのパーツが互いに関わりあい、つながりあって機能しています。
身体は全体で一つのものということを意識してみてください。
昔の捻挫→膝の痛み→腰痛→肩こりというプロセスを経てきたのなら、
捻挫を治すことで、他のすべての症状も改善されるはずなのです。
また、私たちの身体には「勝手に治る」という素晴らしい力があります。
たとえば、包丁で指を切ってしまったというとき。
私たちは自分で傷を治しているでしょうか。
せいぜい塗り薬を塗るか、バンドエイドを貼るぐらいですよね。
そうなんです、身体は私たちが頼まなくても、
勝手に自分自身を修復するように、働き始めているんです。
人の手を借りるのは、たとえば骨盤を正しい位置に戻してもらとき。
専門家の手で、解剖学的に正しい位置に落ち着くように戻してもらえば、
あとは勝手に身体が治してくれるんですね。
身体のどこかに痛みを感じたときは、身体が治りやすい環境、
自然治癒力が強化されるような環境をつくって上げることが大切です。
痛い場所だけに目を向けるのではなく、体液循環を改善し、
全身レベルで自然治癒力を高めていくことが健康への近道ですね。