私たちは毎日の生活の中で、ほとんど意識せずに呼吸をしていていますが、実は呼吸こそが健康を維持する上で、とても大切なものだと知っていますか?
心身ともに健康で、どこにも不調を感じていないときには、呼吸の大切さを感じることもあまりないものです。
しかし、現代人は知らず知らずのうちに、ストレスにさらされ、呼吸が浅くなっているといわれています。
ということで、今回は、呼吸の重要性と背骨との深い関係について取り上げてみます。
◎呼吸の浅さと自律神経の乱れが心身の不調につながっている
現代に生きる私たちは、社会的にも個人的にも、あらゆる場面でさまざまなストレスにさらされています。
しかし、ストレスを軽くみてはいけません。
ストレスによって呼吸が浅くなり、自律神経が乱れ、私たちの心身は常に緊張した状態になっています。
そのため、体内の循環も悪くなり、心身ともに不調が現れてくるのですね。
呼吸には、横隔膜や肋間筋、斜角筋、大胸筋などの筋肉が使われていて、主に肋骨に付いています。
また、横隔膜は背骨にも付着しているので、呼吸に合わせて背骨と肋骨も動いていることになります。
ということは、深い呼吸をすることが背骨自体のエクササイズになっているというわけですね。
話題になった呼吸で痩せるといったエクササイズも、このメカニズムを利用したもののひとつでしょう。
◎背骨や肋骨の動きが悪いとよい呼吸ができない
呼吸に合わせて背骨や肋骨が動いているということは、反対にいえば、背骨や肋骨の動きが悪い状態では、効率のよい呼吸ができないということになります。
背骨にトラブルがあると、呼吸にも影響し、ひいては健康を害することもあるというわけです。
ちなみに私たち人間の身体は、有酸素運動をしているときや、急に身体を動かすときなどは、呼吸を優先するようにできています。
そのため、日頃から呼吸が浅い人は、ちょっとした動作で呼吸が乱れ、身体がついてゆけずに、思わぬ怪我をすることもあります。
ですから、背骨のエクササイズを行う場合も、呼吸に意識を向けることで、より安全に行うことができます。
とくにヨガは、ポーズをとりながら呼吸に意識を向けるので、ちょっとしたことで呼吸や心が乱れなくなるという効果が期待できます。
不用意な怪我もしにくくなるので、年齢を問わず、お勧めのエクササイズといえるでしょう。