整体のイメージといえば、骨盤や背骨の癖やゆがみを「正しい位置に矯正する」というのが一般的なものですね。
しかし、一度で骨盤や背骨を矯正するという方法は、いつでも、誰にでも適しているとは限らないのです。
ゆがみを正すというより、骨盤の癖を活かして、ゆるやかに、身体に大きな負担をかけずに、その人がもっている本質的な回復力を引き出すことこそ、有効な整体の方法といえるのではないでしょうか。
◎自然なゆがみを活かす方法〜基本となる体操をやってみよう
実際に、ゆがみを活かす方法とはどのようなものなのでしょうか。
それは、緊張している筋肉に「伸ばす」という刺激を与え、ゆっくりと戻していく中で、伸ばされた反作用で身体がゆるもうとする反応を利用しているということです。
〈身体のチューニングの基本〉
①脚上げ(縦方向上げ)
仰向けに横になり、片方の膝を立て、反対側の足裏にひもをかけ、引っ張って持ち上げていきます。
(ひもの長さは身長と同じくらいに)
曲げていたほうの膝を伸ばします(これにより上げているほうの脚が突っ張ります)
次に、上げた脚をゆっくりと戻していきます。
この間、息を止めないようにしてください。
背中側が温かくなればOKです。
※骨盤の上下・前後の動きをよくする効果が期待できます。
②二人脚上げ(横方向上げ)
両足を延ばして仰向けに寝ます。
介助者は、片脚で反対の脚の膝が持ち上がらないように軽くおさえ、片側の脚を横方向に腿の内側が突っ張るまで引き上げます。
ゆっくり数呼吸しながら元に戻します。
腰や背中が温かくなればOKです。
※こちらは、骨盤の開閉・ねじれの動きをよくしてくれます。
これらは一見、ストレッチのようですが、ストレッチは筋肉を伸ばすことが目的ですが、この方法では、脚をゆっくり元に戻していく動きの中で、ゆるめていくことが主眼です。
背中全体の筋肉がゆるんで温かくなるのがとても気持よく感じることでしょう。
緊張して上のほうに持ち上がっていた骨盤が自然に下がってきて、全身がリラックスできます。
くれぐれも勢いをつけて行ったり、呼吸を止めたりしないように注意してくださいね。
特別な道具や場所も必要なく、ひも一本あれば簡単にできる方法です。
起床後や寝る前などに、ぜひやってみてはいかがでしょうか。